ウールそのものが水蒸気を吸・放湿
湿気の多い日本では、壁の中に湿気を残さない家をすることが大切です。
壁の中に湿気が残る(壁内結露が発生する)と柱を腐らせ家の寿命を短くしたり、カビやダニを発生させる原因にもなるからです。
ウール断熱材の最大のメリットは、この壁内結露を発生させないことにあります。
ウール断熱材は自重の35%程度まで水分を保持することができるといわれ、気温や湿度の変化によって吸収・放出を行うため、壁の中に水分が残ることがないのです。
この性質は住み心地にも影響します。
夏の暑い日でも湿度が低ければ不快感は少なく、冬の寒い日には湿度が多少高めの方がぬくもりを感じます。
自然素材の家が身体にやさしいのはこうした温度と湿度のバランスを調整する作用があるからです。
さらに、ウール断熱材にはホルムアルデヒドを吸着する性質があり、シックハウス対策にも効果があるといわれています。
断熱性能はほぼグラスウールと同等
ウールのセーターからも想像できるように、ウール断熱材の断熱性能も優れており、一般的に使われるグラスウールの上級品とほぼ同等の性能を持っています。
グラスウールには調湿性能はないので、実際に使った場合の体感温度、心地よさという点ではウール断熱材の方が勝っていると言えるかもしれません。
また、壁内結露を発生させないため、長期間での性能劣化や断熱ムラが発生することもほとんどないことも特徴のひとつです。
吸音性にも優れている
やわらかい繊維質のウール断熱材は吸音性にも優れています。
元々羊毛は吸音材の素材として利用されてもいます。
ウール断熱材は、足音などの生活騒音を柔らかく吸収します。
2階床の防音処理なども合わせて行うことで、室内はいつも静かで心からリラックスできる空間になります。
小さなお子様やお年寄りのいるご家族はもちろん、音楽の好きな方、楽器が趣味の方など、音にこだわった家づくりを考える場合にも適しているといえるでしょう。
燃えにくく、有毒ガスを発生させない
ウールは燃えにくく、有毒ガスを発生させない素材として様々な場所で利用されています。
例えば旅客機の内装材、新幹線のグリーン車のカーペットや座席、ホテルのカーテンなど・・・。
発火温度は化学繊維よりも高く、燃えにくい素材であることがわかります。
また、着火しても、火を取り除けば燃え続けることはなく、短時間くすぶるだけですぐに消えてしまいます。
また、有毒ガスを発生させることもありません。
健康的であるとともに、安心な素材ということもできるでしょう。
自然から生まれ、自然に還る
ウール断熱材の主原料は羊毛ですから、まさに自然から生まれた素材です。
耐久性も非常に高く、リサイクル・リユースが可能。
また廃棄したとしても土に還る素材なので、環境にもやさしい断熱材なのです。